ポンチ絵講座

そもそもポンチ絵とは

ポンチ絵とは『製品をイメージすることができる簡単なスケッチ(概念図・構想図)』のことです。お客様からのご要望をポンチ絵でいただき、これをもとに打ち合わせをすることで、頭に描いているイメージの行き違いがなく、正確な製作図面をつくることができます。

また、簡単な板金部品であれば、図面がなくてもポンチ絵だけで十分なこともあるので時間の短縮にもなります。ポンチ絵がスラスラ描けると、事前に構想がまとめやすくなるため、設計者もCADで作図する前に手書きのポンチ絵を描いてからCADに向かうことが多いです。

ものづくりのコミュニケーションとして、ぜひ、ポンチ絵に挑戦してみてください。

イメージを伝わりやすくするポイント!

それでは「ポンチ絵」とはどのようなレベルであればよいでしょうか? イメージが伝わりやすくするには、以下のようなポイントを押さえていただければよいかと思います。

  1. 細部は気にしないで最も特徴的な部分を描く
  2. 各部の寸法をポンチ絵に直接書き込む(mm単位)
  3. 使用したい部品などの詳細は文字で記入する(例:パッチン錠 等)
  4. 材料の種類、表面処理の種類、希望する板厚などがあれば記入する

アイソメでポンチ絵を描く!

もう少し本格的なポンチ絵が描けるようになりたいという方は、テクニカルイラストレーションで使用する、等角投影法(アイソメトリック法)を練習するとよいでしょう。アイソメ方眼紙(菱眼紙)を使って、基本を押さえればかなり複雑なものでも描けるようになります。ポンチ絵には特に等角投影法を使用しなければならない決まりはありませんが、ポンチ絵を見やすく描くには有効な方法です。いくつか例をご紹介します。

アイソメ方眼紙とは
アイソメ方眼紙とは、菱眼紙ともいわれます。アイソメ方眼紙は、縦の線(垂直線)を中心にして左右水平より30°上がった斜線(右斜線および左斜線)で構成されています。この線に沿って描くだけで、簡単に立体図を描くことができます。この流儀に則って描いた立体図を等角投影法といいます。アイソメ方眼紙はここからダウンロードできます。

例1)サイコロを描く

それでは、アイソメ方眼紙に、サイコロを描いてみましょう。サイコロは横・奥行き・高さが全く等しい立方体です。

  • 01まずは垂直線・右斜線・左斜線の上に3本の線を描きます。サイコロの各辺の長さは等しくなるので、3本の線は、マス目の数を同じ分だけ描きます。

  • 02次に垂直線・右斜線・左斜線に平行な斜線を描き結びます。するとサイコロの正面2面が完成しました。さらに右斜線・左斜線に平行な線で結び、立方体が描けました。

  • 03最後にサイコロの目を描き入れます。角の線が公差するところを消してRを書き足すと、よりサイコロらしくなりました!

例2)六角ねじを描く

  • 01六角ねじの頭部とねじ部に分けて、最外形を直方体で描きます。

  • 02六角ねじの頭部に、六角形の頂点を通る楕円を描きます。さらにその楕円を6等分し線で結び、六角形を描きます。

  • 03六角形の頂点から右斜線を平行に伸ばし、六角形に厚みをつけます。伸ばした斜線の頂点を結び、六角ねじの頂点を完成させます。

  • 04ねじの断面(楕円)を手前側と奥行側に描きます。左斜線と平行に接する線で結び、完成です。

例3)板金部品を描く

  • 01まずは板厚を考慮せずに、平面の組み合わせで外形を描きます。

  • 02板厚をつけます。

  • 03折り曲げた角にRをつけます。長孔の形状を下描きします。

  • 04穴形状にも厚みをつけて完成です。

例4)蒸気機関車

最後にちょっと応用編として蒸気機関車に挑戦してみましょう!

  • 01直方体と円柱を使って大雑把に外形を描いていきます。

  • 02大きなところから形状を決めていきます。

  • 03車輪等の細かな形状を描いていきます。

  • 04さらに窓などの細かい形状を描きこんで完成です。

お問い合わせはこちら

最上部へ